現在、日本で流通している小麦の約8割は外国産小麦であり、国産小麦の流通量は約2割程度しかありません。しかし、国産小麦には外国産小麦が持ち合わせていない特徴が多くあります。今回は国産小麦の特徴・メリット・デメリットについて解説いたします。
国産小麦粉の代表的な5品種の特徴
1.「きたほなみ」
きたほなみは「ホクシン小麦」に代わって大規模に生産されるようになった北海道産の主力品種です。きたほなみは薄力粉、中力粉として使用できる上、強力粉などとブレンドするブレンド小麦として多く使用されている汎用性の高い製品です。
2.「春よ恋」
春よ恋は「春まき小麦」と呼ばれる北海道産小麦の1割程しか収穫されない春に種をまく小麦です。もちもち感としっとり感が共存した国産小麦の代名詞「はるゆたか」の改良品種で、小麦の香りやもちもちとした触感が特徴の小麦で、吸水性がよく高い安定性にも優れています。
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3.「ゆめちから」
ゆめちからは平成21年に北海道の優良品種に認定された秋播きの超強力小麦です。
弾力が強く、もっちりしたパンや中華麺など、幅広い用途に使用できます。
中力粉とのブレンドにも適し、二次加工の可能性を拡げます。
また、コムギ縞萎縮病に対して、優れた抵抗性を有しているため、安定生産に貢献します。
4.「ふくほのか」
ふくほのかは岡山県南東部で主に栽培されている中・薄力系の小麦です。小麦粉のアミロース含量がやや低いため、お菓子にするとしっとりもちもち食感になり、お菓子作りに向いている小麦です。
5.「せときらら」
せときららは主に岡山県北東部で栽培されている製パンに優れた小麦です。せときららは、グルテンが強く、アミロース含量がやや低い為もちもち・しっとりとした食感のパンが作れます。また、フランスパンなどのハード系パンのパン作りにも向いています。
国産小麦を使用するメリット3選
1.多様性(地域の特色を前面に出した製品作りが可能に)
国産小麦の大きな魅力の一つは、その多様性にあります。
日本各地で栽培されている小麦は、地域ごとに異なる気候や土壌の特性を反映しており、それぞれ独特の特徴を持っています。
この多様性を生かすことで、地域の特色を前面に出した製品作りが可能になります。地域密着型の営業戦略においては、これらの特性を宣伝材料として利用し、消費者に対してその地域独自の価値を訴えることができます。また、地域特有の小麦を使用することで、製品に付加価値を付けることが可能になり、消費者の購買意欲を高めることができます。さらに、地域の小麦を使用することで、消費者に対して製品に込めた思いを明確に伝えることができ、製品への理解を深めると共に、ブランドのコンセプトを明確にすることができます。
2.日本人好みの食感をつくりやすい
国産小麦は、でんぷんの質が外国産小麦と異なることが多く、日本人の好むもちもちとした食感を作りやすくなります。
これは、日本の気候や土壌が生み出す小麦の特性によるものです。国産小麦を使用することで、うどんやお菓子、ラーメンなど、もちもちとした食感が求められるさまざまな食品に最適な原材料を提供することができます。
また、異なる種類の国産小麦をブレンドすることで、製品に求められる特定の食感や風味を出すことも可能になります。
近年では、「春よ恋」などの特定品種を使用したパンが増えてきており、これらの小麦を使用した製品は、独特の食感や風味が消費者に好評を得ています。
3.SDGsに貢献
国産小麦を使用することは、持続可能な開発目標(SDGs)に貢献することに繋がります。地域の小麦を使用することで、食料自給率の向上に貢献し、地域経済を支援することができます。また、輸入小麦に頼ることなく、国内での食料生産を促進することは、食料の持続可能性を高めることにも繋がります。さらに、地域の農業を支援することで、農業従事者の生計を支え、地域社会の活性化に貢献することができます。これらの取り組みは、SDGsの目標である「貧困をなくそう」「飢餓をゼロに」「産業と技術革新の基盤をつくろう」などに貢献することになります。
まとめ
近年では、国産小麦粉の品種も増えてきており、国産小麦粉を活用しているお店も多くなっております。
当社では、小麦の仕入れ先を限定している上、小麦の挽き方にこだわる事で、小麦粉の品質を最大限均一にしております。
この機会に、国産小麦の採用をご検討されてみてはいかがでしょうか。
サンプル製品のご提供も行っておりますので、お気軽にお声がけください。